出産&子育て

「子育てと仕事の両立が辛い」今という時間は永遠に続くわけではない、と気づかせてくれた伝説のスレッド

子育て 辛い

つい先日、免許の更新に行ってきた。

ゴールド免許のため5年ぶりの更新だ。

先日の更新まで5年間持っていた免許証の写真は
身分証として提示することさえはばかられるほどのひどい写真だった。

目の上は寝不足でくぼんでしまい表情はギョロついているし、
産後ハゲを隠すために厚めに切った前髪が中途半端に伸びかけて顔にかかり、
後ろ髪を伸ばしたゲゲゲの鬼太郎のようなヘアスタイルになっており
ギョロついた表情に拍車をかけている。

今だったら、その髪型おかしいよ!!!!と全力で指摘するところだが、
その時は毎日鏡をみているのにそんなことも気づかないほど、心に余裕が無かったのかもしれない。

ちょうど娘たちが3歳と1歳の頃だ。

そのころは仕事と子育てでものすごくハードだった時期で、子供たちが風邪をひいたり胃腸炎になったりすると、1週間の睡眠時間がトータルで20時間もとれなかったことさえあった。

まわりの友人の子供たちは、3歳くらいになると割とお世話が楽になってくる子が多かったのだが、うちの長女は3歳頃はまだ夜中に夜驚症のような症状がよく起こっていたため、私がゆっくり寝られることは無かった。

夜驚症(やきょうしょう)とは、睡眠中に突然起き出し、叫び声をあげるなどの恐怖様症状を示す症状のことである。
夜驚症は、概ね数分から十数分間症状が続く。夢とは異なり目覚めた時に本人はそのことを覚えていないのが普通である。
小学校入学前から小学校低学年の児童に見られる症状であり高学年以上では稀である。睡眠中枢が未成熟なために起こる症状であると考えられている。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

それに加え、1歳児だった次女はもちろんすんなり朝まで眠る年齢ではないし
そのころは夜中の1時に起きて遊びだし
3時頃にまた眠るというおかしなルーティンにはまっていた。

そんな二人の子供たちに一晩中付き合い、眠れない夜が明けると翌日は仕事が山盛りという恐ろしい状況が延々と続く。

睡眠時間が確保できず極限状態になると、休日に子供を半日実家に預け
その間に寝させてもらうという形でなんとか自分が倒れてしまわないように踏ん張っていた。

同じ年頃の子供を育てているママさんから、夜はぐっすり寝てくれるよとか
専業主婦だから子供がお昼寝している間に一緒に自分も寝てるよ~、などという話を聞くと
子育ては人それぞれと頭で理解はしていても、うらやましくて泣き出しそうな気分になることもあった。

なんで私だけこんなに大変なんだろう・・・

とにかく子供たちが早く大きくなってくれて、もっと眠れるようになりたい。
早く楽になりたい・・。

毎日そんなことを考えながらがむしゃらに頑張っていた。

そんなとき、ふと何かのきっかけで、小さい子供の子育てを卒業した中学生ママさんの書いたある文章を目にした。

それはウィメンズパークという子育てコミュニティーサイトに書き込まれたスレッドで、
共感した人たちによって拡散されていたものであった。

小さいお子さんのいらっしゃる方々の話題を拝見して
思い出したことがありました。
自転車の後ろにつけていた子供用座席のことです。

うちの息子は中学生になりましたが、
あの子が小さい頃は今のようにいろんな種類のおしゃれな子供用座席って
あまりありませんでした。
金属製のカゴのような、簡単なものです。

息子が小学生になった時、
もう、乗せることはないからと、その座席をはずしたんです。
長く使っていたのでいたるところが錆び付き、ドライバーを使ってもなかなかはずれない。

必死になってはずしながら一息ついたとき、急に涙が溢れてきました。
私は車の運転が出来ないので、
息子とどこかに行く時にはいつでもこの自転車と一緒でした。

具合が悪くて小児科に行く時、
寒くないようにバスタオルで息子をくるんでここに乗せたな、
幼稚園バスに乗ると気持ちが悪くなるからと、
毎日二人で歌を歌いながら幼稚園に向かったな、
春は桜を見上げながら、
夏は汗びっしょりになって、
冬はだるまさんのようにモコモコにさせて、
いつも二人、この自転車と一緒だったな・・・。

「ママ、あのね・・・」
「ママ、おなかすいた」
背中から、いつも息子の声がしました。

毎日何気なく、当たり前のようにしていたことがもうできないんだ、と思ったら
涙が止まらなくなりました。

早く大きくなればいいのに、
何でも一人でできるようになればいいのに、
早く自分の時間がほしい、
早く・・・。

ずっとそう思っていたはずなのに、本当に寂しかった。
今はどんなに望んでも、あの頃に戻ることは出来ません。

錆び付いたカゴがとても愛しいものに見えました。
長い間、ありがとう。これからもママがんばるよ。
そう言ってさよならしました。

今、子育て真っ最中のお母さん、毎日大変だと思いますが、
今しかできないこと、お子さんといっぱい思い出を作ってくださいね。

この書き込みを読みながら、私は途中から胸がいっぱいになって声を上げて泣いてしまった。

毎日毎日、育児と仕事と家事をこなすだけで精一杯で
立ち止まったり冷静に考える暇もなくただ夢中で日々を過ごしてしまっている自分。

3歳と1歳の子供たちと過ごしている今という時間が
永遠に続くわけではないんだ・・。

そんな当たり前のことを忘れている自分に気づいて情けなくて涙が止まらなくなった。

そしてその時、私は長女が1歳になった時も、
初めての赤ちゃんの子育てを楽しんだり、どんどん成長して毎日ちがう表情を見せてくれる感動や可愛さをちゃんと心に焼き付ける余裕もなく
長女の1歳のお誕生日を迎えてしまった自分に後悔の気持ちでいっぱいになったことを思い出した。

なんであんなに後悔したはずなのに
私はこんなに大切なことを、すぐ忘れちゃうんだろうな・・・。

それから私は中学生ママさんの書いたこの書き込みをプリントアウトして手帖にはさみ、
辛くなった時には何度も手帖から出しては読み返した。

………………………………………………………………………………….

あれから5年の月日が経ち、現在子供たちは8歳と6歳になった。

相変わらず忙しい毎日ではあるが
子供たちは、夜は子供部屋の2段ベッドで寝るようになり、私が夜中に起こされることも無くなった。

今月免許の更新をし、新しい免許証になったが、当時より睡眠がとれているせいか新しい免許証の写真は5年前より逆に若返ったような気配すらある。

外出時に子供を抱っこしたり追いかけたりする必要も無くなり、またハイヒールもはけるようになったし、好きなオシャレもできるようになった。

子供の着替えやおむつやミルクや・・・といつも大荷物だったのがウソのように
ちっちゃなバッグひとつで出かけられるようにもなった。

あまりにもひどい写真だったため、封印しているに近かった5年前の免許証の写真
久しぶりにまじまじと眺めてみたら、必死で奮闘していた当時の自分を思い出し色んな感情が溢れてきた。

よく頑張ったな・・

子供たちがこれから成長していくにあたり、また色んな悩みや壁もでてくると思うけれど
まずはここまで頑張ってきた自分をたまには褒めてあげよう。

そんなことを考えた、先日の免許更新であった。

ABOUT ME
富岡紗和子
神奈川県湘南在住、占い師(帝王命術売占い鑑定師・四柱推命鑑定師)ラジオパーソナリティ・エッセイ作家・法人役員(役員暦24年)の富岡紗和子です。 現在、二人の娘を持つ母でありサーフィンとビールをこよなく愛するアラフィフ女子です♪ ⇒ ⇒ 詳しいプロフィールはこちら

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