さわこの観察日記

『熱々コーヒーでウイルス一網打尽作戦』に表れる・・・私の人生の縮図

あつあつコーヒー

寒い寒い冬も、もうそろそろ終わりが近付いてきた。
私は冬が苦手だ。

寒さで体がこわばり肩こりも悪化するし、冬のファッションはコートで全部隠れるからつまんないし、ニット類は買っても買っても毛玉になって貧乏くさい雰囲気になるのが気になるし、なにかやる気にならない。

もう冬のファッションはやっつけに近い感じがあり、数パターンをローテーションで着回している状態だ。

そのかわり私は夏が大好きで、夏のファッションもこの上なく大好きなため、せっせと夏物を一年中取り寄せながら、来たるべき暑い夏に思いをはせ、苦手な冬をやり過ごしている。

そして冬に一番困る事と言えば何より伝染病だ。学校で集団生活を送っている子供たちの間では必ず毎年インフルエンザの大流行やノロなどの胃腸炎の伝染の恐怖などがあり、いつ我が子がそのような伝染病をもらってきてしまうかと、子供たちの持ち込みウイルスに怯える日々だ。

スーパーで仲良しのママ友に遭遇すれば必ず、『寒いねぇ。インフル平気??』『まだノロウイルスは来てない?』などと確認しあい、『ノロやるくらいならインフル2回やった方がマシだよねぇ!』などと、できもしない子供の病気の両替話などでひとしきり盛り上がり、最後は『あったかくなったら飲もうね!!』などと言いあって帰宅するのが定番である。

そんな冬なのだが、今年はここまで家族全員、大きな風邪などもなく順調にやり過ごしてきた。春というゴールはもう目前だ。

このまま誰もウイルスにやられることなく、無事に暖かい季節を迎えるぞ!!オー!!!
・・・そのように気合を入れなおした先日のある日のことだった。

朝起きると喉が痛い。前日まで何ともなかったのに・・・。

あれ!?
こ・・これは・・・私の予感が確かならば思いっきり典型的な冬の風邪の症状じゃないか・・・。春はもうすぐそこだっていうのに、こんなタイミングで・・・・

あわてて常備している市販の風邪薬を服用してみるも、時間がたつにつれて喉の痛みは増すばかりだ。ちょっと痛い、から、段々と“猛烈に痛い”に進化していく。

もう、つばを飲み込むのも辛くなってきた。

痛いなぁ。もう・・・(涙)

喉の痛みは徐々にひどくなり、つばを飲み込む瞬間にちょっと勇気をださないといけないくらいの痛みに発展していく。最初は弱気でおそるおそる決心してはつばを飲み込み、痛みに涙目になる・・・を繰り返していたのだが、そのうちだんだんと腹が立ってきた。いつもの私のパターンである。

風邪のウイルスめ・・・生意気だな?目に見えないくらい小せぇーくせに!!
調子こいて、喉を痛くさせやがって・・・

人間様をなめてるのか!?

そんな黒い心がムクムクと湧き上がってくる。

そし今年もとうとう、毎年恒例『熱々コーヒーでウイルス一網打尽(いちもうだじん)作戦』を決行することなる。

私が20年ほど前に考案したこの『熱々コーヒーでウイルス一網打尽作戦』とは、自分自身の口が火傷するレベルの熱いコーヒーを一気に口に入れ、思い切り喉にぶつけながら飲み込むというものだ。当然ながら事前のフーフーなど厳禁である。

“まさかそんなことが我が身に起こるはずがない”とタカをくくっているウイルス達を、突如めちゃくちゃ熱いコーヒーで襲撃してやるという作戦だ。

私のイメージでは、ウイルス達は突然の熱攻めに『ギャー!!!』などと断末魔の雄叫びをあげ、目を「✕」印もしくは、のび太がメガネを外した時のような「3」印にしながら逃げまどい、しまいにウイルス達は私の喉に張り付いたことに後悔の念を呟きながら、次々にバタバタと力尽きていく・・・・

そんな光景を思い浮かべ、私は渾身のガッツボーズをきめるのだ。

だが忘れてはいけない大切なことが一つある。『熱々コーヒーでウイルスを一網打尽作戦』による拷問で、目に見えて重傷を負うのは他でもない、私自身であるということを・・・

しかし、それをふまえた上でなお、私は風邪をひいて喉を痛めるたびにこの作戦を決行してしまうのである。「何もされるわけない」と信じ込み、のうのうと悪さをしているウイルス達を懲らしめるためには、例え私自身が同時に(かなりの)痛い目に合うことになったとしても、それは必要な犠牲なのだ。

私の中でそれは【勝つか負けるか】という気持ちの問題であり、自分がその後しばらく火傷で痛い思いを引きずることがわかっていても、そこに『後で自分が痛い目に合うからやめておこう』という選択肢は無いのである。

私は火傷には負けたがウイルスには勝ったのだ。火傷は自らの選択だ。そう思うと心は実に清々しい。

ところで、私が同じように【勝つか負けるか】で挑んでいるモノのなかに調理中の『油はね』がある。揚げ物をする際に、時にものすごい勢いで油はねをしてしまい収集がつかなくなってしまうことがあるのだが、そんな時の私はやはり一瞬怖くて弱気になる。

しかしこのまま油はねがおさまるまで放っておいたら食材が焦げてしまう・・!!という使命感から、おそるおそる遠くから菜箸を伸ばし、食材を突っつく・・・。

その瞬間、はねた油がバチ!!と自分にかかって『アチッ!!』と飛び上がる・・・。そして、やはりそこでカチャッ!と怒りのスイッチが入るのである。

さっきまではおそるおそる、ビクビクしながら遠くから菜箸を伸ばしていたが、もうここからはグイ!!と体ごとコンロに近づき、油はねに向かって『どけ!!!!』などとドヤしながら、気合を入れ食材をひっくり返す。

すると不思議なのだが先ほどまで私に向かって次々に飛んできていた油が、なぜか私にぶつからなくなってくるのだ。先ほどより油に近づいているのにだ。

これは気迫がみなぎった私に、油が恐れをいだき始めたとしか思えない不思議な現象なのである。(※念のため言っておきますが正気です)

思えば私の“熱々コーヒーでウイルス一網打尽作戦”も、“油と真っ向勝負”も、なんだか私の人生そのものを表していることに気づく。

生きていると、よくもまあこう次々と・・・とうんざりするほど、乗り越えなければならない問題は起きるものだ。少なくとも私の場合は・・・。

そんなとき、解決したことのない未知の敵の出現に、一瞬たじろぐ自分がいる。
不安でいっぱいになり、途方にくれる。

でも我が身にふりかかった問題に打ちひしがれ、パワーが完全にゼロになるくらいに落とされた瞬間、怒りとともにムクムクと『くそッ!!!!!』という感情が涌いてくるのだ。
そして、自分が多少の犠牲を払うことになろうが、痛い目に合おうが、こうなったら勢いでぶっ潰してやろう!!と開き直り、立ち向かっていく。
そうやってこれまでの人生、人知れず戦ってきた。

そういう自分の生き方をコンパクトに表しているのが“熱々コーヒーでウイルス一網打尽作戦”であり、“油と真っ向勝負”なのだ。

こんな小さなエピソードひとつに自分の生き方の縮図が見事に表現されてしまうことに、ちょっとした気恥ずかしさもあるが、仕方ない。

これからもきっと私のベースにはこの法則が適用されていくんだろうな・・・と思うと同時に、アラフォーになった今、今後はもっと心穏やかな人生を過ごしていきたい・・・根性論はもうゴメンだ・・・と平穏な未来を心から望み、人知れず拳を握りしめる私がいるのであった。

ABOUT ME
富岡紗和子
神奈川県湘南在住、占い師(帝王命術売占い鑑定師・四柱推命鑑定師)ラジオパーソナリティ・エッセイ作家・法人役員(役員暦24年)の富岡紗和子です。 現在、二人の娘を持つ母でありサーフィンとビールをこよなく愛するアラフィフ女子です♪ ⇒ ⇒ 詳しいプロフィールはこちら

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