さわこの観察日記

中国人には、本当に嫌なやつが多いのか?

日本人の思う中国人のイメージで真っ先に浮かぶのは
マナーが悪い、列に並ばない、パクリ商品を作る、
我が強いなどのマイナスイメージではないだろうか。

初めての中国人

私が実際に中国人に初めて接したのは20代前半でのサイパン旅行だった。

夕食に焼き肉屋さんにでかけ、食事を楽しんでいると
となりのテーブルで食事をしていた中国人グループの中の一人の男性がスクッと立ち上がり
つかつかとこちらへやってきた。

??と思い、見ていると、
無言で私たちのテーブルの前に立ちはだかり
テーブルの上にあった備え付けの調味料をひとつ取り上げると
私たちに見向きもせずにサッサと自分のテーブルに戻って行った。

あっけにとられて一部始終を無言で見入ってしまった私だが
あとからジワジワ腹がたってきた。

おうおう、あんだチミは。

ふつうは自分のテーブルの調味料が足りなくなったなら
店員さんを呼んで補充してもらうだろう。
100000000歩譲って、となりの調味料を借りたいならそこのテーブルの人に
一声かけて、すみませんお借りしますとか、
ありがとうございます的なことくらいは言うだろ!

なんなんだ中国人ってのは(怒)!!と、
初めての中国人とのご対面は超ウルトラマイナスイメージだった。

ところが、翌日訪れたビーチでばったりと昨夜の『無言調味料持ち去り男』にでくわすと
なんとこの『無言調味料持ち去り男』こちらに笑顔を向け、悪びれる様子もなく「昨日アイマシタネ!」と
にこやかに声をかけてきたではないか。

なんですと!?
昨日あんなに感じ悪く無言で調味料持ち去ったてのに。。
なんだ今日のその笑顔は。

この人、相当常識無いけど、嫌なやつではないのか?
日本人の常識で測ってしまうと、頭の中が混乱してよくわからなくなった。

普段、私生活で中国人に遭遇することがまったくないため、
テレビやニュースでの情報以外に実際に中国人に接するのは、
私の場合は旅行先くらいしかない。

そしてテレビやニュースで見る中国人のイメージは、
これでもかというほどマイナスなものばかりが取り上げられている。
これは政治的な問題のほうもかなり大きいのかもしれない。

セカンド中国人

初めての中国人とのご対面から10年もたって、
次に中国人に接したのはグアム旅行の夕食時であった。

その日はビュッフェスタイルで好きな料理を各々とり、自分のテーブルで食事を楽しみながら
現地の人達のフラダンスやパフォーマンスを楽しむ、というものだった。

なんだか豪勢なお料理に、
私は興奮で完全に鼻の穴が全開になっていたが
そこは女子のはしくれとして表に出さぬよう、おしとやかにふるまいながら、
お料理を少しづつお皿に取りながらすすんでいった。

すると、人生で初めての『豚の丸焼き』が
ドーンと鎮座しているのが目に飛び込んできた。

丸焼かれた豚は頭にハイビスカスの花を飾られ、
哀れなんだか楽し気なんだかよくわからない雰囲気になっていたが
なにはともあれ初めての『豚の丸焼き』を、
丸焼かれた豚に負けじと鼻の穴を広げながら
トングで自分のお皿に盛りつけた。

と、その時だった。
何やら横から手が伸びてきて、
私の使っている最中のトングを奪おうとするヤツがいるではないか。

驚いて振り向くと、中国人観光客であった。

えーーーーーーーーーーーーーーー?

今料理を取り分けている最中のこの私から!?

我こそ一刻も早く『豚の丸焼き』を皿に取りたい!!という気持ちを抑えられず!?
人の使っている最中のトングを奪おうとするヤツがこの世に存在して!!??

とっさにかちんときた私は、トングを奪おうとする中国人の手を振り払い
NBA並みの俊敏な動きでトング強奪男に背中を向けディフェンスすると
もう一度じっくり豚の丸焼きに向き合い、必要以上に自分の皿に盛りつけた。

豚の丸焼きをそんなに多く食べたかったわけではないのだが
何しろトング強奪男にすぐには順番を譲りたくない一心に取りつかれ
ゆっくりゆっくりゆっくり、たくさん盛りつけてやった。

それにしてもなんなんだ!一体なんなんだ?
どこのどいつが、人が使っているトングを横から奪ってまで自分が先に盛りつけようとするんだ!!

皆さんも、日本国内でビュッフェスタイルのレストランやホテルで食事をしたことが何度もあると思うが
自分の使っている最中のトングを横から強奪されたことなどあるだろうか?

シャーーーーーーー!!(怒)

しばらくの間、思い出すたびに怒りでプルプルしそうだった。

その一件で、私の中の中国人のイメージは本当に最悪なものとなってしまったのだ。

サード中国人

それからまたまた数年の月日が流れ、
中国人とは一切の接点をもたず暮らしていたある日のこと。

私がよく通る道路沿いに、激安マッサージ店がOPENした。
看板には『全身もみほぐし60分 1980円!』と書かれている。
安い。。。。怪しい。。

相場よりかなり安すぎる値段設定、
何か信用できない香りがプンプンする。

リラックスしてよだれを垂らして居眠りしている間に
カードをスキミングされるとか??
もしくは、“シャチョサン、別料金ネ”とか言われて
ぼったくられるとか?!
(潜入調査番組見過ぎ)

極度の肩こりで悩んでいる私は、『全身もみほぐし60分 1980円!』に
すごく興味はあったのだが
なんとなく見ないふりをして毎日そのお店を通り過ぎていた。

そんなある日、私の行きつけの美容室で、担当の美容師さんが
『あそこのマッサージ屋さん、こないだ行ってきたよ。
スタッフ全員、中国人だったけど。
本当に安くて、よかったよ。弟にも勧めたんだよー。』
と話していた。

え??ほんとにほんとにそんなに安くやってくれるのの??と
興味深々になった私に
『でもその時の店員さん、日本語あまりわかんないみたいでさ、
予約の電話がきても聞き取れないみたいで、
お店に来てたお客さんに電話変わって予約とってもらってたんだよ笑』
と言うではないか。

なんだそれ!
超おもしろい。。

そんなおもしろ話は私の大好物である。
それはもう完全に、実際に足を運んで確かめるしかない。

さっそく、お店のドアをたたいてみた。

「いらっしゃいませ。。。(スーパーローテーション)」。。。

なんかすいません。とこちらが委縮するほどのローテンションで迎えられた。
その後は無言。。

券売機で券を買うとシステムと事前に聞いていたので、
何とか60分の全身もみほぐし券を購入。
おそるおそる店内を観察すると
その日のスタッフは男性二人と女性一人、いずれも中国人のようだ。

少し待ってから私の番が回ってきた。
担当してくれたのはすっぴんだけどきれいな顔立ちの中国人の女性だった。

「こちらへどうぞ。」
「はい」
「髪長いデスネ」
「あ、はい!」
・・・・

そんな、整体とは関係ない一言二言をかわし、マッサージがスタートした。
確かにとっても上手!!
体つきの細い女性だけれども、本当に力が強くて的確な施術に
超絶肩こりな私はすぐによだれモードに突入した。

極楽~~~~~♪

その時、お店の電話が鳴った。
プルルルル・・・プルルルル・・・プルルルル・・・プルルルル・・・

あ、電話来たな。誰かとれるのかな。と思った瞬間、
私の背中の上で「はい、〇〇です」と電話を受ける声が。

・・・・・・ってあんたがとるのかい。

彼女は左手で私の肩をマッサージしながら、右手で予約の電話を受けている。
うう・・・うん。まあ忙しそうだし、人足りてないみたいだしね。
まあいっか。

電話を切ると、担当の中国人女性は、ちょっとすみません。。
と私の背中から下りると、予約表のバインダーを取りに行き、
今とった予約を記録しているようだ。

彼女はスミマセンでした。。とすぐ私の背中に戻ってくるとマッサージの続きを始めた。

予約の電話もとって施術もして、大変だなぁ。。と思いながら、
「あ、大丈夫ですよ」等と返事をした。

5分後、また電話が。
プルルルル・・・プルルルル・・・プルルルル・・・プルルルル・・・
「はい、〇〇です」

だよね~~

私の上で電話とるよね~~
予約受けるよね~~

あれ?私のお尻の上に予約表のバインダー置いて、なんか書き出した。

尻の上で予約時間記入するよね~~~~~~~~
私の背中の上で全ての業務こなすよね~~~~~~~~!!!

もう!キャリアウーマン♡
ってコラーーー!

もう、なんだか笑えてきてしまった。
マッサージの台の丸い穴から顔を出した私は、
お尻の上で予約表の記入をされる感覚を味わいながら
背中を震わせて笑いをこらえるのに必死であった。

シメに中国人の彼女は『お客さん、キレイデスネ。ビジンデスネ。』
とお愛想まで言ってくれて、60分の施術が終了した。

マッサージはとっても上手で体もすっきりしたし、
ひそかにかなり笑いのツボも刺激してくれたので
本当に有意義な60分だった。

きっとこのお店の中国人は、お客さんの背中の上で電話を取ることも
尻の上で予約表の記入をすることも悪いとは思っていないのだろう。
きっと「そんなことしたら失礼」と思う日本人と感覚が違うだけなんだ。

中国人には、本当に嫌なやつが多いのか?

中国人は日本人の常識と全く違うところで生きてきているため
日本人の常識で中国人の行動を計ってしまうとかなり逸脱しており、
時には不快にさえ思ってしまう。

先日テレビで、
『国際的な基準を考えたら、中国人は変わらくてはいけないんです!』
と強く言っているキャスターを見た。それもごもっともな話だ。

中国人のマナーについては
色々なところで専門家が分析して解説してくれている。
だからなんの知識もない私がここでとやかく言う必要は全くないと思う。

ただ自分の感じたままを言うと、
『無言調味料持ち去り男』も『トング強奪男』も、
『客の背中の上で全ての業務こなすキャリアウーマン』も
悪気はないんだろうな。ということだ。

とにかく、感覚が違うのだ。

中国人が“嫌なやつ”ということではないんだなと、今は思うようになった。
日本人にも嫌なやつならわんさかいるしな。

今後も、テレビやニュースの情報だけでなく
実際に接する中国人をよく観察していこうと思う。

ABOUT ME
富岡紗和子
神奈川県湘南在住、占い師(帝王命術売占い鑑定師・四柱推命鑑定師)ラジオパーソナリティ・エッセイ作家・法人役員(役員暦24年)の富岡紗和子です。 現在、二人の娘を持つ母でありサーフィンとビールをこよなく愛するアラフィフ女子です♪ ⇒ ⇒ 詳しいプロフィールはこちら

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