エッセイ

引き寄せの力・・・平野ノラ風バブリー水着で恐怖の「引き寄せ力」を発揮する

さわちん, ブログ

この世界には『引き寄せの力』というものが存在している。

私も度々この引き寄せの力というのを身をもって体験してきた。

皆さんも経験がありそうなわかりやすい例でお話すると、「会いたいな」と考えた人から偶然にも連絡がくる、というのも引き寄せのひとつである。

以前私はマンションに住んでいたのだが、珍しく窓を拭こうと思い立ってカーテンを開けたとき遠くに見える『市役所』の建物がたまたま目に入り、そこで働いているお友達のことを思い出して、しばらく連絡とってないけど元気かな?などと考えたことがあった。

もちろん『市役所』はずっとそこにあったのだが、いつもはその存在をまったく気にせず過ごしていた。だがなぜかその時『市役所』の建物を久しぶりにまじまじと眺めながら、マンションから見えるほどの場所で働いてると知ってるのにずっと会ってないな…と、そのお友達のことを考えたのだ。

するとその日の夜、数年ぶりにそのお友達から「元気?たまには飲もうよ」とメールが突然入ったのだ。私は驚いて、『今日ちょうど市役所見て、元気かな?と考えてたんだ!』と返信したのだった。

最近も、とあるショッピングモールに買い物に出かけた際に、そのモールの近くに住んでいる大好きなお友達のことを思い浮かべ『会いたいなぁ』と思いながら買い物をしていたら、その日の夜にそのお友達ご本人から「今日見かけたかも!」と連絡をもらい驚きと嬉しさで大興奮したという出来事があったばかりだ。

こんな風に、『元気かな?』『会いたいな』と、相手のことを強く考えると、不思議と引き寄せてしまうという現象は確実に存在していると感じている。

そしてその逆も然りである。

要するに、『会いたくないな』『誰にも見られたくないな』と強く念じたばかりに、会いたくない人に会ってしまい、見られたくない状況で人に見られてしまうという恐ろしい力もこの世には存在しているのである。

引き寄せたくないものを引き寄せてしまった大事件として私の心に深く刻まれているのが「群馬の温泉施設で平野ノラ」である。

みなさんもよくご存知の通り、群馬には有名な温泉がたくさんある。

草津温泉や伊香保温泉など、私も大好きで何度も訪れているのだが、その日はしっかりとした温泉旅館などに泊りがけで行ったわけではなく、どちらかと言うとラドンセンターのような施設にドライブがてら遊びに行こうと気軽に出かけたのであった。

事前に調べると、この施設には屋外温泉やらプールまで併設されていて、水着着用で楽しむことができるということだった。水着が無い方は貸出もできます!と書いてあったたため、私は自分の水着などを用意することなく、気楽に遊びにやってきたのだった。

さっそく受付をし、「水着が借りられると書いてたのですが・・・」と申し出た。するとスタッフの方が「はい、お貸しできます!」と笑顔で手渡してきた水着を見て私は腰を抜かしそうになった。

完全にネタだよね?と確認したくなるほど80年代風のその水着は、やたらな光沢のある幾何学模様の小股の切れ上がったワンピースタイプであり、今や日本中を探し回っても発掘するのが困難なのではないかと思われるほどの昭和レトロなデザインであった。

いや、その当時は平野ノラのようなゲロマブ女子達がこぞって着ていたイケてるデザインだったのかもしれないが、これを今、公衆の面前で着用するということに、めまいがするほどの物凄い拒否反応が湧いてくる・・・


参考動画:バブリーダンス

しかし、水着がなければ屋外のジェット風呂やプールにも入れないわけで、せっかくここまでやって来たというのに、この温泉施設の楽しみ方の半分くらいしか味わうことができないだろう。群馬くんだりまできてそれは悔しい・・・。

それにこんな片田舎にイマドキの女子なんてそうそう来ないだろうしきっと近所のおばちゃんか、お婆ちゃんたちしかいないよきっと・・・。

大丈夫、大丈夫だ・・・

私は意を決して更衣室に入ると、80年代ゲロマブ女子風の水着に着替えた。

恥ずかしい・・・

鏡に映る自分がゲロマブすぎて倒れそうだ。あまりの動揺に「しもしも~石黒賢?」などと髪を振り乱す余裕すらないほど、恥ずかしさで内股になりながらなんとか更衣室を出た。

もう着ちゃったんだから仕方ない。

私は自分を奮い立たせるとゴキブリのようにササササ・・・とジェット風呂へ続く通路を移動した。そっとジェット風呂へ入ってみると、イイ感じの泡がブクブクと湧き上がり私のゲロマブの水着を覆い隠してくれる。

ありがたいなぁジェット・・・

完全にこの水着にメンタルを削られた私はジェット風呂の本来の効能など忘れ、この水着を覆い隠してくれるという効能にひたすら感謝した。

その時である。

キャピキャピと若い女の子達の笑い声が聞こえ慌てて振り向くと、めちゃくちゃイマドキ女子の二人組が、かわいいビキニを着て温泉に入ってきたのだ。

こういう子たちに会いたくない。ぜったいこんな姿を見られたくない。

そう強く強く願った結果、私は見事な引き寄せ力で、本来群馬になどいるはずのない可愛いイマドキおしゃれギャルの二人組をこの場におびき寄せてしまったのだ。
(群馬県民の皆様に失言を深くお詫び申し上げます)

私はジェット風呂に溺れるほど深めに浸かるとひたすら時が流れるのを待った。待って待って待ち続けた。このイマドキおしゃれギャルの二人組がのぼせていなくなるまで・・・

だが、先に限界を迎えたのは当然私であった。

私は長くお湯に浸かり過ぎたのぼせと猛烈な恥ずかしさからの血圧上昇によりふらつく足取りで、もちろん「MCハマー通りま~す」などとかます余裕も無く、命からがら更衣室に滑り込むと体にはりつくゲロマブ水着を脱ぎ捨てた。

くそ・・・
なんで私ばっかりこんな目に・・・

涙目になり体を拭きながら、ふと「なんで着ちゃったんだろう」と冷静な自分が問いかけてきた。

受付で渡された水着、あの時点で完全に着ちゃいけないシロモノと判断できていたのに、なぜ着てしまったのだろう。着ないという選択肢が浮かんで来なかったのはなぜだろう。

あまりに衝撃的なデザインで精神を揺さぶられ過ぎたからだろうか。

「やっぱりやめます」
その一言を発する勇気がなかったのではなく、やめるという選択肢が浮かんで来なかったのだ。

そしてこんな時ばかり、超能力に近いほどの引き寄せパワーを遺憾なく発揮してしまった自分が心から憎い・・・。

これだけの引き寄せパワーを持ち合わせているのであれば、以後、自分の幸せを引き寄せるために全神経を集中して臨みたい。

引き寄せたくないものを引き寄せるシリーズはもうそろそろ終わりにしたい・・・。

今、そう願ってやまない私なのであった。

ABOUT ME
富岡紗和子
神奈川県湘南在住、占い師(帝王命術売占い鑑定師・四柱推命鑑定師)ラジオパーソナリティ・エッセイ作家・法人役員(役員暦24年)の富岡紗和子です。 現在、二人の娘を持つ母でありサーフィンとビールをこよなく愛するアラフィフ女子です♪ ⇒ ⇒ 詳しいプロフィールはこちら

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