我が家には小学生と中学生の
二人の娘たちがいる。
小学生の娘の方は
よくしゃべる元気系の女子
学力に若干の難はあるものの・・・
なんとなく
世渡り上手な雰囲気もあり
なんでも口に出して伝える
太陽タイプなので
わかりやすいっちゃわかりやすい子。
一方、中学生の長女は
俗にいう“塩対応”女子
この話をすると
「思春期だからじゃない」とか
「そういう時期なんだよきっと」
などと言われるのだが
この長女・・・
幼児のころから
ず~~~~~~~っと
塩対応を貫いている、
生粋の
“塩対応”女子なのだ。
あまりにも塩なので
最近は「塩の魔神」と呼んでやっている。
ほんとうに昔から
こういうタイプだから、
私のほうも今さら
もうちょっとテンション上げなよとか
明るく対応しなさいよ~
などと言うつもりは毛頭なく
「塩の魔神」として
人に媚びることなく
のびのびと生きてくれればいいや
・・・と思い、放牧している。
そんな中、つい先日
私が外出先から戻ると、
長女は先に学校から帰ってきており
いつも通り
ものすごく塩な顔でたたずんでいたが
私は「おや?」っと
ある異変に気付いた。
この子、今日
なんかあったなと。
母親の勘というヤツだ。
いつも通りに塩対応なのだけど
その目の奥に、私は
なにかいつもと違う
“悲しげなもの”を感じ取った。
これは、しっかりと
話を聞かなくてはいけない。
そう直感した私は
長女の横に座った。
そして、
『学校でなんかあったんでしょ?
話してごらんよ』
・・・と、静かに問いかけた。
ハァ~。(-.-)という
溜息と共に
『別に。』と、
いつかのエリカ様を
彷彿(ほうふつ)とさせる
塩具合で短く答える長女。
しかし、ここで負けてはいけない。
私は食い下がった。
『いや、何かあったよね。
私には、わかるんだよ、
あなたの母親だから』
いくら毎日あなたが塩対応でも
本当にあなたが困っているときは
ちゃんと母は理解しているんだよ
そんな気持ちをこめて、
『ほら何があったの?
話してみなよ』
そうたたみかけた私に、
「塩の魔神」が、
重い口を開いた。
『本当に何もないんだけど。
こういう時って、
どうしたらいい』
え・・・・
・・・ってか、
本当に何もないのかよ
イヤ、ちょっと待て
逆に、何もないのに
よくそんな顔できるな
全く紛らわしいやつめ
・・・てか、
私にはわかるんだよ
あなたの母親だから
とか言っちゃったじゃんか
恥ずっ
母親なんにもわかってないの
丸出しじゃんか
どうしてくれるんだよ
やはり「塩の魔神」の手ごわさは
一筋縄ではいかないようだ。
次回、渾身の
『私には、わかるんだよ
あなたの母親だから』を
発動するときは
くれぐれも不発で終わらないよう
充分に用心し
状況を見極めて挑む所存である。