ひと月ほど前の金曜日の夜、我が家の次女6歳が、
お風呂上りにお腹が痛いとシクシク泣きながら布団に倒れこんでしまった。
お腹を触るといつもより硬くなっているように感じ、あわてて大学病院の夜間の救急外来に連れて行った。
しかし病院に到着したころにはさっきより痛くないと言いだし、医師からも軽い胃腸炎かもしれないねと言われ、ミヤBMという整腸剤だけ処方されて戻ってきた。
さっきお腹が硬いと感じたのは、痛くて力が入ってただけではないか、ということだった。
繰り返す腹痛
翌日は元気に過ごしていたのだが、また夕方になるとお腹が痛いと訴え出し、しばらくすると治ったとまた元気になる。
どうやらお腹の痛みには波があり、痛んだり治まったりを繰り返しているようだった。
週が明けても痛みが出たり治まったりと波があるようだった。
数日間は朝に痛いと訴えなかったためふつうに学校に行かせていたのだが
ある日、学校から電話があり、お腹が痛いと机にうつ伏してしまっているので迎えにきてくださいと言われたため、迎えに行ったその足でもう一度病院で検査してもらうことにした。
病院ではお腹のエコーをとったのだが特別な異常は見受けられず、下痢も嘔吐もないため、もしかすると便秘かもしれないね。との診断だった。
そして一度お腹の掃除をしてみようかという流れになり、浣腸でお腹に溜まっているものを出すことになった。
診療台に横になり、看護師さんに浣腸してもらう次女・・。
見守る私。
ゴロゴロゴロ・・!!
おッ さっそくきましたねぇ。早い!
ゴロゴロゴロ・・!!!
うん、スゴイ急降下!!
・・・って私かいっ!
なんで次女が浣腸されて私が下痢するんだ・・。コントか!
17年来、過敏性腸症候群(IBS)を患っている私、次女の浣腸を見守っているうちにイメージが自分のお腹と直結したらしく、浣腸してもらった次女より先に下すという快挙をやってのけた。
話がそれてしまったが、浣腸で腸の掃除をした後は、結局またミヤBMという整腸剤のみ処方され、病院をあとにしたのだった。
ところが、また翌日になるとお腹が痛いと訴え出してしまった。
やはり波がある痛みは改善されていなかった。
困り果てた私だが、次女がおへそのあたりを抑えだしたことから、これは腸のほうではなく胃痛なのかもしれないと気づいた。
子供は自分の痛い部分を的確に表現できないため、お腹が痛いという一言になってしまうのだが、私もお医者さんも腸のほうばかり気にしていたのが間違いだったかもしれない。
おへそのあたりが痛いのであれば胃が問題ということになる。
胃が痛いなら、整腸剤ではなく胃に効く薬
ところが調べてみると子供用の整腸剤はたくさん種類があるのに、胃薬は子供が服用できるものが極端に少ない。
実際、自宅にあった数種類の胃薬はどれも子供の服用はできないものばかりだった。
そんなとき、ツイッターのフォロワーさんが教えてくれたのが芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)という漢方薬だった。
さっそく大きいドラッグストアに行って、薬剤師さんに状況を説明し相談してみた。
すると、今の次女のおへそのあたりの波がある痛みという症状には芍薬甘草湯をおすすめできるということだった。
子供でも量を調整することで服用できるとのこと。
また、私は漢方薬というのは効き目が穏やかで長く服用してやっと効果がでると思い込んでいたのだが、漢方の中でもいろいろな種類があり、この芍薬甘草湯は効き目が早いタイプの漢方だとのことだった。
芍薬甘草湯
けいれん性の痛みをやわらげる漢方薬です。
【働き】
芍薬甘草湯(シャクヤクカンゾウトウ)という方剤です。胃腸や胆のう、尿路や子宮などの平滑筋、あるいは手足の骨格筋の緊張をゆるめて痛みをやわらげます。とくに、差し込むような急激な痛み、いわゆる「疝痛」に有効とされます。
具体的には、胃けいれんを含め胃痛や腹痛、胆石や尿路結石による疝痛、筋肉のつっぱり・こわばり・けいれんを伴う筋肉痛、こむら返り、神経痛、さらには腰痛や肩こり、生理痛など いろいろな痛みに広く用いられています。
【組成】
漢方薬は、自然の草や木からとった「生薬」の組み合わせでできています。芍薬甘草湯は、その名が示すよう“芍薬”と“甘草”の2種類からなります。どちらも、痛みを緩和する作用をもつ生薬です。病院では、煎じる必要のない乾燥エキス剤を用いるのが一般的です。
芍薬(シャクヤク)
甘草(カンゾウ)【特徴】
漢方の代表的な痛み止めです。漢時代の「傷寒論」という古典書に載っているシンプルな処方ですが、今でもよく使われています。
証(体質)にはそれほどこだわらず、各種の痛みに広く用いることができます。肝硬変や透析中に見られる足のつり(こむら返り)をおさえるのにもよく用いられます。
参考:おくすり110番
芍薬甘草湯の効果は?
帰宅すると、次女にさっそく服用させてみた。
風邪薬のパブロンなどより少し粒の大きい顆粒で、苦みもそこまでないので、6歳の娘でもすんなり服用することができた。
そして、今回この芍薬甘草湯が、おへそのあたりの波がある痛みにピタッとはまったらしく、それ以来一度もお腹の痛みを訴えることはなくなり、今はすっかり元気になったのだった。
1年生になったばかりの次女、生活が大きく変わり、子供なりにストレスもあったのかもしれない。1週間近くも胃痛を理解してあげられず、かわいそうなことをしたな・・と思う。
それにしても漢方薬の実力、今まであなどっていたな・・・
教えてくれたフォロワーさんには感謝感謝である。
そして、いま子供の胃痛でお薬を探しているママさんの参考になれば幸いだ。
ちなみに、芍薬甘草湯はけいれん性の痛みに効くということで、胃痛の他にも生理痛にも効果があるそうだ。生理痛で鎮痛剤を使用するのに抵抗がある方は、芍薬甘草湯を試してみる価値があるかもしれない。
ただ漢方薬は種類によって置いていない薬局もあるので、買いに行くときは予めよく確認したほうが無難である。
体に優しく効果もあるのであれば、それに越したことはない。
今、他の漢方薬にも興味がでてきている私である。