エッセイ

ノービール、ノーライフ!!大好きなビールと過ごす私のヘベレケライフ

私はビールが大好きだ。
一年365日中、平均360日はビールを飲んでいる。

夏はビールが美味しいね!という人がいると
冬もビールは美味しいのです。と毎回思う。

特にどこの銘柄と、こだわりがあるわけでもない。
ビールというものが大好きなのだ。

実家にいたころは仕事帰りに最寄りの駅に降りると、駅前の酒屋さんで必ず500mlのビールを3本買って帰っていた。最終的には酒屋さんに入った時点で店員さんがいつものビールを3本スタンバイしてくれていたほどである。

ビール好きと言って思い出すのは、自分の結婚式の前日の出来事だ。私はグアムで挙式を挙げたのだが、挙式当日にビーチで写真撮影も予定されていたため、若かった私は綺麗な写真を一生の思い出に残そう!と意気込んでいた。そのため前日にパックや美顔器を使ってお肌のお手入れをして当日に臨もうと、日本からわざわざ美容関連の一式の大荷物をグアムへ持ち込んだ。

ところが、結婚式の前日に夕食のために訪れたBBQレストランでビールを飲み始めたところ、ついいつものくせでビールが止まらなくなってしまったのだ。しまいにはピッチャーでグビグビとビールを飲み干し、ヘベレケでホテルに戻ってくるという大失態をやらかしたのであった。そして日本からわざわざ持ち込んだ美容グッズの荷物は開けることもなく、そのままベッドに倒れ込むこととなった。

結婚式の前日にヘベレケで大イビキをかく花嫁。
色気など皆無である。

一生に一度の結婚式と記念写真・・・

その大切な日の前日に、一生に一度の我慢も出来なかった私。
一生残る美しい花嫁姿の写真よりも、一瞬のビールに軍配が上がってしまったのであった。

それくらい、私はビールが好きなのである。
そして40代になった現在は、仕事のあと料理を作る前にビールを開け、飲みながら料理をし、料理の出来上がった頃には自分も出来上がっているという時短で一石二鳥な日々を過ごしている。

私のビールライフに苦言を呈す主人

しかし、こんな私のビールライフに対し、主人からは「ビールばっかり飲んでないでもっと〇〇したら?」等の苦言を呈されることがしばしばあるのだ。

そんな時わたしは心の中で毎回、「あなた、ビールに失礼ですね。」と呟いている。主人は「ビールばっかり飲んで」とビールを飲んでいる私をのように発言しているが、主人は自分がビールに救われていることに全く気づいていないのである。

私は毎度ビールを飲む事によって、嫌なことを忘れ、血流も良くなり、テンションも上がり、ご機嫌で過ごしているのだ。ビールのおかげで主人の数々の悪行だって、まぁいっかと何度も何度も水に流し、今ここに夫婦として存在しているのである。

ビールが無ければ積もり積もった不満が蓄積し、腹立たしい思いを忘れられずいつか爆発し、離婚という道をたどることになったかもしれない。

そう考えれば主人からは、
「いつもビールを飲んでくれて、嫌なことをどんどん忘れてくれてありがとう」と感謝の意を表明されても良いくらいではないか?

ビール批判などもってのほかであり、ビールを飲んでいる私への批判は、もうビールに対し恩を仇で返す行為と言わざるを得ない。

何もかもビールのおかげだ。主人は私の買い置きしたビールに足を向けて寝られないはずなのである。

ビールライフに水を差す、年齢の壁

そんなわけで、このビールライフを20年ほど過ごしているのだが、40歳になった頃から、ちょっと疲れが溜まっているなと感じることが増えてきた。

やはり年齢のせいだろうか?

そこで、ある日薬局に足を運んで、この疲労感について薬剤師さんに相談してみようと思い立った。

薬剤師さんはお薬の陳列されている棚の前で、疲れが取れないと訴えるわたしに「お酒は飲まれますか?」と質問してきた。

わたしはとっさに「お酒は、そんなに飲まないですね」と答えた。

何故だろう、いつも開き直ってビール好きを公言しているというのに、医者や薬剤師さんにそれを聞かれると、飲んでない風を演出してしまうのは。。

だがそれと同時に、ここで正直に白状しなくては、私の体の症状についても、合う薬についても正しくわからないかも知れない・・・という心配が湧いてくる。

そこで、後出しで「ビールならほんの少し飲んでます」と言ってみた。
すると間髪入れず「ビールはどのくらい飲みます?」と再び質問された。

「えっと・・・ビール・・・・・
1本・・・・・・
2本・・・・・・
3本・・・・・・
・・・・くらいですかね・・・。」

ごまかしたい気持ちと、正直に吐かなくてはという心の中の葛藤により情報を小出しにし、つい、皿屋敷で皿を数えるお菊さんの亡霊のような言い回しになってしまった。

「3本ですか!?それ、350mlですか?」
「350mlです。・・あ・・・・いや・・500ミリ・・・」
「500ml!!!!????」
「あ、はい・・・」

すると薬剤師さんは、「それはもう、宴(うたげ)ですね」と、ひとこと言い残すとさっさとヘパリーゼの前に移動し、説明を始めた。

宴(うたげ)なのか・・・
私的には標準だと思っていたが、一日500mlを3本って、宴(うたげ)なのか。

毎日うたげ・・・

なんだか、毎日修造みたいで急に恥ずかしくなった。
まいにち修造

毎日うたげを指摘された私は気恥ずかしさでソワソワしながら、薬剤師さんオススメのヘパリーゼを購入し、そそくさと家路に着いたのであった。

そしてふと実家の父が、癌の手術のあとにすぐビールを飲んで注意され、「体内の悪い菌をアルコール殺菌してるだけ」と堂々と言い放ったことを久々に思い出した。血は争えない。

もうここまできたら、開き直るしかない。

これからも毎日ビールで心の垢をリセットして
新しい明日を気持ちよく迎えるというビールライフを自信をもって満喫していこうと思う。

ABOUT ME
富岡紗和子
神奈川県湘南在住、占い師(帝王命術売占い鑑定師・四柱推命鑑定師)ラジオパーソナリティ・エッセイ作家・法人役員(役員暦24年)の富岡紗和子です。 現在、二人の娘を持つ母でありサーフィンとビールをこよなく愛するアラフィフ女子です♪ ⇒ ⇒ 詳しいプロフィールはこちら

こちらの記事もおすすめ
エッセイ

遺伝してほしくない!!『貧乳』・・・そして『音痴』【面白いエッセイ】

2019年5月19日
湘南藤沢で占いが当たると有名!神奈川帝王占い富岡紗和子
長女が小学1年生の時、パチンコ屋さんの看板に大きく描かれた爆乳の女の子の絵を見て、「私おとなになったら、あんなふうに胸が大きくてかわいい女の …
スワンボート エッセイ

【面白いエッセイ】湖畔の大魔王

2020年1月13日
湘南藤沢で占いが当たると有名!神奈川帝王占い富岡紗和子
今年の元旦、結婚と同時に遠方に引っ越ししてしまった友達から年賀状が届いていた。 ご主人とまだ小さい息子さんとの3ショットの写真付きの年賀状だ。 彼女とは、しばらく会っていな …